エマ−ン界 慣性制御戦斗ドリファンド(オーガス)
○時空混乱紀元20年度において、トーブ・インダストリアル・ファミリー・シャイア・サブ・ファクトリーに発注された戦斗ドリファンドは、その特異な生い立ちと構想によって、我々の過去のいかなるドリファンドとも異質の存在となった。
○戦斗ドリファンド・オーガスの基本パーツには時空混乱紀元前の旧式なチラム型デバイス
が使用されており、本機の特異性の象徴となっている。
○紀元前チラム・デバイスは、基本的には極めてタフな構造と広い応用範囲をもったそれなりに
優秀なシステムであり、紀元20年においても、そのまま使用できる部分さえ存在した商業
目的で生産される我々のデバイスとは強度基準に大きな差が認められている。
○チラム・デバイスは、変形を基礎とした飛行かウォークであり、この推力部分と脚構造及び
兵装ポイントとしての主翼構造を流用することが可能であった。
○オーガス・デバイスには本来、反重力ユニット2基による浮揚能力が与えられており、翼面
による空力的浮揚能力は不要であったが、発注者のインスピレーションと依頼により、兵装
ポイントとして取り付けられる事となった。なお、その取り付け位置は翼面による高機動を目
的として、質量重心よりはるかに前方に決定されている。
○発注者の特殊な構想のために、オーガス・デバイスはドリファンドとしての機能を有すること
となった。戦斗時の高機動と対敵衝突破壊のためにメカニカル・ハンドを使用するという構想
は我々エマ−ンには、簡単に考えつかぬ使用法であるが、そのためモラーバ・デバイスの
ジャンク・パーツを流用することとなった。
○システム全体は比較的大型となり、モラーバの両肩に標準搭載されてる慣性制御装置2基
では容量が不足であり、背部にさらに1基が増設された。
○3基の慣性制御装置と2基の反重力浮揚装置の50万馬力に速そうという大出力反応炉の
同時使用による。 その運動能力はエマ−ン的乗用デバイスの常識をはるかに離れた怪物
的性能を発揮する。
○デバイスの基本構造強度よりも余剰出力の方が何倍も上回る本機は、そのままでは使用
状況によっては自己崩壊することが予見され、状況に応じた最もロスの少ない形態に可変
するエマ−ン的機能が付与された。
○この形態可変能力(VARLABLE GEOMETRY)により、オーガス・デバイスはそれぞれの状況
に応じて4種の形態をとることが可能になった。
○それぞれの状況に対応することによって、オーガス・デバイスは極めて高い慣性強度と運動 能力を発揮する事が可能となっているが、それは、我々エマ−ンの戦斗ドリファンド・モラーバ ーの基本的能力の延長上にある物で、同様の間接変形機構によってサブ・ファクトリーによる
応急的開発にもかかわらず、極めて信頼性の高い兵器となっている。
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